私はカーナビやカーオーディオのメーカーから受注したプラスチックのパネルアセンブリの立ちあがりの仕事を中心に担当しています。仕事の中では、プラスチックの金型の仕様検討が一番大事であり、迷うところでもあります。「この製品形状がつくれるのかどうか。」「量産性があるかどうか。」「量産でバリ発生などのトラブルは起こらないか。」「金型がカジッたりする構造になっていないか。」など、様々に検討を重ね、最後に「自分が相手(お客様)なら、これで納得するかどうか。」を考えます。その検討した一次案をお客様に要望という形で提示して、OK/NGの判定を頂き、NGなら何んらかの対策をとりますが、NGの時は往々にして根本から見直す大きな改善が必要なことが多いと思います。金型が出来たら、次に物を造る(成形する)のですが、成形品のレベルが100点ならもうやることがありません(?)。しかし、20点だと、完成度を上げ100点を目指します。しかし、それはかなりしんどい作業と言えます。
パネルアセンブリは、外観、特に意匠面の塗装仕上げの美しさが必要です。事前に意匠面に提案する塗装を施したサンプルを製作し、お客様を通してデザイナーの方に話をして頂くこともあります。「塗装」のみでなく、プラスチックの表面に「シボ(しわ模様類)」を入れたり、レーザ加工を行った場合など、サンプルを2〜3週間で製作し、お客様に見て頂くのは有効な問題解決の手段です。仕事の受注前後には、まだ検討に費やせる期間がありますので、十分に試作・評価も行います。
塗装工程には、塗料を塗布してはいけない部分が多くあって、その塗装を防止するマスキング治具は工具課(金型設計担当)と自分で100%検討します。この治具の形状により作業性が決まりますので、責任は重大です。私は、出来上がった治具を、サンプル/試作などに係らない作業者に使用してもらい感想を聞き、すぐにその指摘点を改善するといった工夫をしています。がんばればがんばっただけ、いい形になるのでやりがいがあります。治具には製作する人の人間性が出ると思います。 |